NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)とは

ビタミンB3から生成される抗老化作用が期待される物質

あらゆる生物の体内で作られている物質で、様々な加齢による変化を予防、緩和する効果が期待されています。

NMNは寿命の延長や、若々しさの維持に効果があるのではないかと考えられています。

NMNは体内で、ビタミンB3から作られますが、加齢により減少し、そのことが老化につながっていると考えられています。

NMNは母乳に含まれる他、比較的含有量が多い、枝豆、ブロッコリー、アボカド、トマト等の食品から摂取することは可能ですが、含有量が不十分であることと腸からの吸収率が低いため、十分量を経口摂取するには、大量の食品をとらなければなりません(表)。

動物にNMN投与すると、臓器でNAD (Nicotinamide Adenine Dinucleotide)に変換され、長寿に関連するサーチュイン遺伝子を活性化します。

それに伴い、加齢に伴って発症する疾病が抑制されることがわかってきました。

例えば、マウスで糖代謝の改善や、エネルギーを産生するミトコンドリア機能の改善作用が認められ、12か月投与では、様々な抗老化作用が確認されています。

現在、世界中で多くの研究が続けられています。

特に米国では、国防総省の研究資金が投入された臨床研究も進行しており、その研究成果は非常に注目されています。

(執筆)
東京医科大学
糖尿病・代謝・内分泌内科学分野
糖尿病・代謝・内分泌内科
兼任教授 小田原 雅人